長野の田舎からおじさんがでてきまして。お土産を買っていきたいということで、そのおじさんと一緒にお土産を買いに行きました。
「東京でしか売っていないお土産ってなんだろうか?」
などとおじさんに言われたんですが。「これぞ東京!」というお土産がとっさには思い浮かばないのです。
例えば、長野県なら、野沢菜や蕎麦。福島や山形なら今の時期は、さくらんぼ、京都なら八つ橋。熊本ならトンコツ、そのような物が浮かぶんですが…。
いや厳密には、野沢菜だって八つ橋だって東京でも売ってはいるでしょう。でもそれらはお土産としての雰囲気は十分にあると。
しかし「これぞ東京」というお土産となると、鳩の形をした、鳩サプレか、又は東京駅で見掛ける「東京名物葛餅」なるもので。
「つまらない物ですが…」
「本当につまらない物ですね〜。」
とか思わず言われてしまいそうで、渡すのには気がひけます。これぞ東京土産に、葛餅は少々しょぼ過ぎます。
よく考えたら、僕は関東で生まれ育っていながら東京タワーに一度も行ったことが無かったり、もしかしたら地方出身者の方よりも東京を知らないかも知れません。
「何がいいやろうかねぇ〜。」
「野沢菜なんかいいんじゃないんですかね?東京で買った長野の野沢菜。ある意味東京でしか買えませんからね〜。」
と僕がギャグで言ったらおじさんは「それも面白いね。」と言って野沢菜を買っていきました。
今頃おじさんからお土産の野沢菜を貰った人達は、
「東京で買ってきた野沢菜はやっぱり味が違うな〜。何だかお洒落だし!おら東京さ〜行くだぁ〜!」
東京名物「お洒落野沢菜」
野沢菜の入っている箱のデザインは「モリハナエ」で。箱は捨てるのはもったいないので、野沢菜を食べた後は弁当箱に使用しちゃったりして。
20年前なら本当にそういうこともあったかも知れませんね。でもこれぞ東京ってなんだろうな〜って。