納豆ズボン。
2003/10/15 納豆ズボン。

「このズボンがくさいんだよ!」

「そうかしら。」

「だからオレのズボンも臭くなるんだよ。」

母と弟がリビングで言い合いをしているのはいつものこと。

最近はだいたい洗濯物についての言い合い。弟は洋服をたくさん持っているので、その洗濯のし方についていつも言い合っている。

「これ匂う?匂わないよね?」

僕にズボンを嗅いでみろと母がズボンを僕に差し出した。僕は鼻と頭は犬並に良いので、食べ物が腐っているか腐っていないか嗅いでみる係りなんです。

母のズボンを嗅ぐのは正直気が引けるが、弟がそんなに臭いというのなら嗅いでみたい。

母のズボンを嗅いだ…。

なんじゃ〜これは!納豆の匂いがするじゃないか!これが匂わないなんてうちの母ちゃん超鼻炎?

凄い臭いんですけど。朝起きてこのズボンのポケットに大豆を入れて夜出すと納豆ができるんじゃないかってぐらい臭いんですけど。

なんですかこれ。茨城名産の納豆ズボンですか?ドラえもんもびっくり納豆ズボンみたいな。

しかしこの臭いに思い当たるふしが…。

3日ほど前に僕のジョギング用のパーカーも同じ臭いがした。

ジョギング用なので「僕の汗の臭いが取れないのかな?それにしても納豆っていうか足の臭いっていうか。僕はこんなに臭いのか…。これでは女子に持てないはずだ。」

などど太宰治並にかなり凹んだ。僕の体臭の臭いだとばかり思っていた。

でもそうじゃないと分かった。この臭いは母のズボンの臭いだ!

だって僕のパーカーは母のズボンより臭わないし、母のズボンと出会うまでは全然臭わなかった。母のズボンと洗濯機で出会ったのが運の尽きだったんだ…。

弟が、「この納豆ズボン(母のズボン)と一緒に洗ったからくせぇ〜んだよ。」

臭いが移るなんてすごいズボンだ。コピー&ペーストお手のもの!

しかしなんで母さんのズボンはこんな臭いがするんや。臭過ぎて大阪弁にもなるやさかい。

この黒いズボンで納豆菌を作り内職をして家計を助けようとでも思ったのでしょうか?泣けるくらい臭い話じゃないか?

そんなアホなことはない。

臭い臭いと騒ぐので父も仲間に入れろと言わんばかりにズボンを嗅がせろと参戦してきた。

臭いものは友を呼ぶらしい。友達を作りたいなら臭くなれ!それがいやなら臭い友達を見つけろ!なんてことも思ってしまうほど父の食いつきが良かった。

ズボンを嗅いだ父は、「これは魚の臭いだな…。」

いまでこそこんなのだけどむかし愛した女の匂いがこんな臭いなんだと思ったのか、父は無言になってしまった。この表現は生々しい!生々しいほど臭い。

しかし臭いの感じ方も千差万別。共通するのは臭い臭いあ〜くさい。これまた臭い。あ〜臭い。

なぜ母のズボンは臭いのか?化学反応を起こしたのか?母はこの黒い納豆ズボンを履いている時に肥溜めにでも嵌ったのか?

謎なんですが、洗濯してもこの臭いは落ちそうもないので、家族裁判の結果、捨てさせることにしました。

そして僕のジョギング用のパーカーも母の納豆ズボンの臭いが移ったのかミニ臭いので、これも捨てることにしました。

母をかばう訳ではないのですが、母はそれほど臭くありません。

しかしこのズボンを履いていてこの臭いにも気付かない母を捨てたほうが良いのか、もう一度チャンスを与えるべきなのか家族会議で選択しているところです。

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