僕はフィクション君はノンフィクション。
2001/10/29 僕はフィクション君はノンフィクション。

僕は嘘つきです。心底嘘をつけます。それは…

読書の秋と言いますが、僕は本が憎い。何故本が憎いのか?それは小学2年生から中学1年まで本を読まされていたという過去があってのことなんです。

小さな頃から自宅の一室で叔母さんが塾を経営していました。多い頃は20名ほどの、上は大学受験生、下は小学生の学生が僕の家に勉強をしに来ます。叔母さんが一人でその20人を教える寺小屋みたいな塾です。

僕が小学2年生の時にあまりにも勉強ができないので塾に通うというか、家が塾なので半ば強制的に通うことになりました。塾をやっている家の子が勉強をできないのはという、先生こと叔母さんの面子もあったと思います。

僕は逃げようにも逃げられない。家の一室で塾をやっているその環境を何度恨んだことか。そして僕の地獄が始まりました。

小学2年生の僕に叔母さんが言いました。

「毎週1冊。本を読みなさい。そして感想文を書きなさい。」

逆らったり感想文を忘れたりすると叔母さんは怒ります。その怒り方が嫌でした。手をあげるとかではなく、女性独特のヒステリックな怒り方。

絶対に女性は物事を教えるのには向いていないと思ったものです。

しかも嫌なことは重なります。叔母さんの旦那さんが製本会社を経営していまして。

「わだる君!ここにある本好きなだけ読んでいいんだよ。」

製本屋なので毎週毎週本は尽きません。

そして僕は強制労働のように毎週本を読むことになりました。何が辛いって、最初はフランダースの犬、イワンのばかとかまだ小学2年生でも我慢すれば読めるものだったんです。感想文も叔母さんが喜ぶように書けばいいのです。感動をした、かわいそうとか嘘八百を…。

しかし小学4年生の時に三四郎とか青春の門とか読まされたとき、はっきり言って意味が分らなかった。恋だのなんだのなんて。青春の門なんて作者を演歌歌手だと思っていましたから。

そして漫画は禁止でした。家に隠していた漫画(キン肉マンやキャプテン翼)が小学4年生の時に見つかり叔母さんに、「漫画は目の毒!気の毒!頭の毒!」と言われて有無も言わさず捨てられ…。

しかしその地獄にも終りがあり。中学1年の時、叔母さんが自分の子供の学校のこともあり引越しをすることに。僕は開放され。閉塞されていたのでその反動がやはりありました。

でも今になって思うんです。

まだ嫌いですが1ヶ月に2冊3冊程度ですが本を読むんです。読まされているという感覚ではなくて。暇つぶしに。

本が何かの役にたつとかそんなことは分りません。まあ学生時代に論文や作文で人を騙すのには役にたちましたね。思ってもみないこと書いたりしてね。それがまた褒められるんで。

謹啓:
寒くなりましたねー。
僕は元気です。嘘が上手い人間には育ちました。感謝しています。ではではお元気で。

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