あなたは、いつまでサンタクロースがいるって信じていましたか?
ぼくが小学校2年生の時、おやじに「何が欲しい?」と聞かれて。子供の僕は「お金がいい!何でも買えるし!」
普段からおばあちゃんに欲しいものを買ってもらっていたので。特別であろう、クリスマスの日でもそんなに特別な感じがしなかった。ただひとつ違うのは、寝る前にオヤジの靴下を、病気で熱が出たときに氷を吊るしておくやつに吊るしておく。そんな作業だけだ。
サンタクロースがいるかいないかなんて考えたことがなかった。それまでに、デパートで雇われた若いお兄さんのサンタが、クリスマスの前日のお昼に家に来てプレゼントを置いていったり。オヤジは毎年こっそり僕の枕元に置いてくれるの知っていたし。薄目を開けてね。だるまさんが転んだをしているようで。おやじの滑稽さときたら。もともと手足が短いのに、その手足を余計に短くして。
小学校2年生の僕は、クリスマスの前日の寝る前にいつもと同じように靴下を吊るした。一時間ぐらい経ったであろうか?オヤジがふすまをゆっくり開けて入ってきた。何だかお化けみたい。オヤジが僕の枕元でごそごそ。オヤジ家業も意外に大変なんだな〜と、ませたガキの僕は思った。
ヌキアシ、サシアシ、シノビアシでオヤジが部屋を出ていった。僕は目を開ける。もう忍者も真っ青な夜目を利かして、枕元を見たところ何も置いていない。あれ?今年のクリスマスの品物は?いくら探しても無い!僕の予想ではカセットビジョンだったのに?あれれ?
と、諦めかげんで靴下を取って見た所、靴下の中に1万円札が3枚も入っていた。今年のクリスマスプレゼントは現金。おい!サンタが現金かよ!その靴下の中にお札と一緒に紙きれが入っていた。
月の明かりのある方で照らしてみる。
「むだつがいするなよ。」
と、一言だけ書かれていた。
次の日そのお金を持ってオヤジと一緒にディスカウントショップに行って、カセットビジョンを買った。その1ヶ月後にタダをこね、ファミコンを買ってもらった。
そんな現金をコソコソくれるサンタを次の年から見なくなった。次の年のクリスマスからは靴下も置かくなった。
そして24歳になった僕は、今年久しぶりに枕元に靴下を置こうと思っている。
サンタさんへ…。
中身はなるべく現金でお願いします。