両親と食事に行こうということになっていたんですが、母から日本語でモールス信号のような留守電が入っていました。
「今日は歯が欠けたので食事に行くのは無しで。」
折り返し電話をしたら母が聞き取りにくい日本語で、「ブロッコリーを食べて歯が欠けた。」
「前の歯が全部無くなった。」
前歯全部お亡くなりになられたそうです。前歯が全部です。大事なことなので二度言いました。リアルバカボンパパです。家は母ですが。
母は「安い差し歯だったから。」
母は20年以上まえから差し歯でした。子供の頃に母が「お昼ごはんできたよ。」
うどんを持ってきた時に母の口から何か出ました。
うどんを見ると肉と歯とネギが浮いていました。耐え難き試練です。
20年前のその時に、前歯がお歯黒になった母を見て父が、
「お前ら産んで栄養を取られたから歯が弱いんだ」と言っていましたが、妊娠中のETさんも前歯ボロボロになるんでしょうか。
「あれ?なんか硬いものが…。」ETさんが作ったうどんに歯が入っているんでしょうか。勘弁して欲しいです。
しかしアメリカならブロッコリーを食べて歯が欠けたとお店を訴える所です。とんだ災難です。店が。
それから2週間後。欠けた歯をアロンアルフアで修理した母とご飯を食べに行きました。プラモデルですか。
「あまり硬いものは食べられないから。」母がそう言って入ったお店はステーキのレストラン。それも安いステーキレストランなんで肉が硬い。
母はハンバーグを頼みました。利口な判断です。
そしてサラダバーから戻った母のお皿にはブロッコリーが入っていました。またブロッコリーです。母の名前を年齢的にはシニアですが、ブロッコリージュニアにしますよ。
どんだけブロッコリーが好きなんだよと。
案の定、「あ、歯が…。」そう言ってブロッコリーを吐き出していました。学習能力がチンパンジーに失礼なぐらいありません。
それを見ていたETさんが歯茎を出して大笑いしていました。
妊娠中のETさんには家事はしなくてもいいですから、産まれてきた子供がかわいそうなので歯だけは残して欲しいものです。