ETさんは僕の母と会う前からこの日記をよんでいたこともあって、家の母が理解しがたいことをいっても、「あ、日記と同じ」「あ、日記のおばさん」とスターを観るような感じで接しています。
ETさんも「母のファン」と言っています。義理の母というよりも義理のスターです。もう星です。
この前、両親とETさんとバーミヤンというファミリーレストランに行きました。店員さんに注文する時、父はサンマー麺、僕はタン麺、母が、「じゃあ私は甘タン麺で。」
どこを見てもメニューに甘タン麺はございません。
もしメニューに甘いタン麺があってもそれはもうタン麺ではないのでは?
店員さんは、このばばあなに言ってんだという顔も出来ず甘タン麺効果から店員さんフリーズ。ETさんは大きな目をより大きくして甘タン麺をメニューから探す作業。
僕は店員さんを待たせると悪いので、「タン麺でいいです。何でも食べるので。」
母は、「この甘タン麺ですね。」旅の指さし会話帳のようにメニューを指さしました。これで注文できなかったらアフガニスタンでも何も食べられません。
母が指さした先には、タン麺の写真が写っています。どこから甘が来たのでしょう。それを探す作業です。
そのタン麺は、白タン麺と書かれていました。優しいETさんは、「あ、目が霞んで白が甘に見えたんだ。」優しい父も「白が甘に見えたんだな。」
母は、「あ、これでいいです。」
しかし僕は騙せません。白が甘に見えてはいません。たしかに白と甘は似ていますが、ETさんが白が甘に見えたんだということを言った時の母のうろたえた顔を見れば分かります。目がおかしいんじゃなく、ただ単に頭がおかしいだけです。
子供の頃から見ているので分かります。そろそろ宇宙に帰ってください。
ETさんが、「これ私、日記に書こうかな。白いが甘いに見えたって。」
お互い日記を書いていると最近はネタを取られてしまいます。愛犬のキャビが死んだ時もETさんの日記の書き方で喧嘩になりました。
「いや僕が書こうかな〜。」そう言うとETさんが、「大げさに書くんでしょ。」
大げさに書くと病院に入らなければいけない恐れがあるので原液よりも薄めています。それをETさんは知りません。
僕は子供の頃、母に怒られると「病院に入れ!」と母に口ごたえしていました。
親に向かっての口ごたえが「病院に入れ!」「病院行って来い!」「入院しろ!」
これだけ聞ければすごく優しい子です。でも母が病院に行かないお陰で日記になりました。母と一緒に暮らしていた時には分かりませんでしたが、母は日記の玉手箱です。開けたら大変です。