カナダに留学をしているえりちゃんが泥棒に入られて催涙スプレーをまかれたらしい。盗まれたものなど詳しくは分からないが怪我がないみたいなので一安心。
催涙スプレーの威力は凄いものがある。僕はそれを体験している。
定時制高校に行っていた頃、同じクラスに迷彩服を着ていつでも戦争に行けますという格好をした自衛隊に憧れている子がいた。
彼はナイフを持っていて「松田君鉛筆削ってあげる。」といって、そのナイフで器用に鉛筆を削ってくれた。
彼が急に「松田君相談があるんだけど?」
「なに?」
「松田君、本物のピストル手に入らないかな?」
そんなこと聞かれても困る。でも彼の目は真剣だった。
彼は普段からナイフを持っていたため補導されたこともあった。
彼とゲームセンターに行ってピストルを使ったゲームをする。普通の人の的中率は70%前後なんだけれど彼の的中率は98%だった。でも彼は、
「100%じゃないとダメなんだ。」
彼は気が弱いためよく虐められていた。
ある日、休憩時間から教室に戻るとみんな泣いていた。異様な光景だった。
何があったのか聞いてみたら彼が隣りクラスの不良にちょっかいを出されて、奇声を上げていきなり催涙スプレーをまいたらしい。
それが教室に充満したせいでみんな泣いていた。僕も何だか目が痛くなってきた。直接ではないのに凄い威力だなと思った。
彼は催涙スプレーをまいて逃げたが、階段で足を踏み外して骨折した。
それから学校に来ていない。いや、その後1度だけ学校で見た。両親と一緒だった。
お父さんもお母さんも白髪交じりで16,7歳の子を持つ親の年齢よりもっと上に見えた。60歳は超えているような感じだった。穏やかな表情をしていた。
たまに彼のことを噂する。
強烈なキャラクターだったから今でも話題にでる。
「イラクに戦争にいっているんじゃないか?」
そう言ってみんなで笑う。僕も笑う。その後、なんだか悲しくなる。彼は上手く生きているのか?ここで彼のことを笑っている僕は上手く生きているのか?
彼には才能がある。あれだけナイフを上手に使い鉛筆を削った人を僕は見たことがない。それを活かせる場所と気付いてあげられる人と出会っていればいい。
僕はもうそんなことも言ってられない歳になった。いやまだまだだと思いたい。
昨日おじさんと飯田橋にある高はしというラーメンを食べに行きました。お店は混んでいまして行列ができていました。
店内が凄く狭くただでさえ肩幅があるのに左利きの僕は隣りの人のヒジに当らない様にラーメンを食べることに必死。
ETさんと横に並んでラーメンを食べることもあるのですが、その時に彼女も左利きということを実感します。そしてその左利きの人が側にいることに「あ〜なんかいいな〜。」妙に感動します。
ETさんの良いところはという質問は真っ先に「左利き!」と答えようと思っています。
まあお互い左巻きなんですけどね。
さて、肝心のラーメンの味ですが「味があるのかな?油の味しかしないな〜?」と思いおじさんに「イマイチですね。」と言おうと思ったらおじさんは、
「いや〜美味しかったね。」
本当に美味しそうな顔をして言ったので、イマイチですね。という訳にもいかず「美味しかったですね。」
これだけ行列ができているし、僕のだけ作り方間違えちゃったんじゃないのかな?きっとそうだと自分に言い聞かせました。
きっと僕は普通だ。きっとそうだ。うん大丈夫。常に人生もこんな感じで自らに言い聞かせています。
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早起きをしたのでちょっと去年の今ごろの日記を読み返してみました。自分で言うのもなんですが文句無く面白かったと思うのは、自分の家が売りに出ていた日記。
【LINK】つくづくネタにことかかないなと思いました。でもまあ1年経ち普通に同じマンションで暮せているのは幸せです。
そういえば前から読んで下さっている貴重な読者さんは分かると思うのですが、愛犬のキャビにコブができたという話を何度が書きましたが、こんどは父にコブができました。
コブと言ってもまぶたにできたんです。文字通り目の上のたんこぶです。最初はそれほど大きくなかったのですが、日に日に大きくなりまして。
コブの重さで瞼が自力では開かないようになってしまいました。特に寝起きだと今年60歳という年齢も手伝って目が手動でないと開きません。死体のようです。
今の父の容貌を解りやすく言うのなら、げげげの鬼太郎に出てくる座敷わらしとフランケンシュタインを二で割った感じです。
自分の父なんですが気持ち悪いったらありゃしないです。
昔から父はよく目の病気や怪我にかかっていまして。子供の頃よくお味噌汁のお椀に硫酸を入れて目を洗っていました。
それでそのまんま硫酸の入ったお味噌汁のお椀を冷蔵庫に入れておくのです。これが子供の頃イヤで仕方がなかったです。
話しは360度変わります。
本気もウソもないのですが本気で競馬が最近当りません。日曜日あまりにも当らなかったので、競馬が終わってすぐETさんに「もう競馬は辞めます」というメールをしました。
東京競馬場に通い続けて11年。たぶんギネスに掲載されても良いぐらい僕は馬券を買い続けています。でも鉄人衣笠だって引退したように、僕だって引退しなければいけない時がくるのです。
彼らは体力の限界ですが、僕はお金の限界です。
しかしもう土日、朝起きたら競馬場に行くというのは体に染みついている行動。でも引退しなければいけない時がきたんだなと思いました。
そこでETさんに決意表明のメールを送ったんですが…。
決意表明から4日経ちました。K1の角田選手も引退した後に復活します。あの感動を味わった人は普通の人間には戻れないのです。
やっぱり競馬辞められないと思っているのですが…。
まあ長く書けばいいってもんじゃありませんが、少し何か小話でも。
僕は小学校3年生まで危ないという理由で自転車を買ってもらえませんでした。同じクラスの大塚君も自転車を持っていませんでした。いつも友達と遊ぶときは、僕は大塚君と走って自転車に乗った友達についていきました。
僕は小学校3年生の時に自転車を買ってもらいました。大塚君一人だけが自転車を持っていないことになりました。
しかし僕は自転車を買ってもらっても道路で乗ることは危ないと親に禁止されていたので友達と遊ぶときは変わらず大塚君と走ってついていっていました。
ある日そんな大塚君が「おれ、とうちゃんにチャリ買ってもらった。」自転車に乗って集合場所の学校の校庭にやってきました。
でもその自転車、色は違うけれど僕の自転車とほぼ同じ形の自転車なんです。
僕の自転車は黄色で大塚君のは黒。でもなんだかペンキで塗ったような感じがして黄色い色が剥げて見えます。僕の自転車と違う所があってハンドルがくにゃくやに曲がっています。
大塚君が嬉しそうにそう応えました。「とうちゃんにオレ、ハンドルが曲がっている早そうなチャリが欲しいって言ったら、とうちゃん曲げてくれたんだ。」
ということは元々は曲がってなかった。なんだかイヤな予感がしました。
「ちょっと用事を思い出したから。」
僕はそう言って家に帰りました。
庭に置いてあるはずの僕の自転車が無かったのです。
もしかして大塚君の自転車って僕の?でもハンドルが…。でもあれは曲げたのか。色が…。でもあれは塗ったのか。でもあの自転車は僕の自転車だという核心がありました。
しかしどうすればいいのか僕は分かりませんでした。親に言えば大塚君のお父さんは僕の自転車を盗んだ罪で警察に捕まってしまう。大塚君本人に言った所で信じてもらえないし喧嘩になる。
そこで僕が思いついたのが大塚君の自転車を盗もう…いや元々僕の自転車を盗もうと思ったのです。
僕は夜の午前12時にこっそり家を抜け出し使っていない線路に降り自分の身長ぐらいある草を掻き分けながら僕の家から300mぐらい離れている大塚君の家を目指しました。
線路伝いの道は大塚君の家に行く時にいつも通っているので暗闇でも問題はなかったのですが、今から僕は泥棒になるんだと思うとドキドキして口から心臓が飛び出しそうでした。
線路伝いに大塚君の家はあります。線路からだと裏口から入るようになるのですが、裏口からだと雑種の"メンチ"がいます。
僕が犬が大嫌いなのです。しかも吠えられたら一貫の終わり。僕は危険を承知で玄関口に回る方法を選びました。
でも玄関口に回ったところで幸運がありました。大塚君の自転車が…いや僕の自転車が家の前にどうぞ盗んでくださいと言うように置いてあるのです。一番心配していた鍵が掛かっているのかを見たのですが、運良く鍵はかかっていませんでした。
そして僕は大胆な行動に出ました。普通に自転車に跨り家まで乗って帰ったのです。そして何事もなかったように家に入り寝ました。
ドキドキはしていたのですが、もしかしたら僕には盗みの才能があるんじゃないかと思いました。
僕は盗んだことに満足したのかよく寝ました。
しかし朝目が覚めて一番最初に気になったのはやはり盗んだ自転車のことでした。色がこのままだとバレてしまうし、色を黄色にしないと。
自転車を置いた庭に行ったら…。自分の目を疑いました。なんと自転車が黄いと黒の2台あるではないですか。
僕はパニックになり、黒い自転車に乗って大塚君の家に行って「大塚君遊ぼう!」
ランドセルを背負った大塚君が、
「まっちゃん。なんでオレのチャリにパジャマで乗ってるんだよ。これから学校だぜ。」
「オモロイだろ!」
オモロイ僕が家に帰ると父が「お前の自転車パンクしてたから工場に持っていって直しておいたぞ。」
才能の持ち腐れかも知れませんが、僕が盗みを働いたのは後にも先にもこの時だけです。
パソコンの調子が悪く更新できませんでした。あとサッカー見てた。金曜日の筑紫さんのニュース23の「エアーギターをする若者」というのには笑った。それと父と母が二人で初めてカラオケに行った話の更新をするタイミングを失った。
さて今週は、僕の子供の頃からのヒーロー岡部騎手が引退するというニュースがありました。
「岡部乗りだぁ〜!」と3番手ぐらいにつけている知人が言うと僕は「ノリみたいに直線一気だぁ〜!」
現在28歳。あれからもう10年経つのですね(18歳の時にそんな遊びをしてたんかい。と一応自分でツッコミをいれる)
さて岡部騎手引退のニュースをどこで知ったかというと、お付き合いしているETさんから聞きました。
喧嘩するほど仲が良いと良いのですが、相方のETさんと最近よく喧嘩をします。
でもそれはとっても恋人同士っぽい会話から始まったりするんです。
ETさんが突然、「おかべ引退だって〜。」
おかべという友達はいないしそんな名の人は心当たりがない。ETさんから発せられたこの言葉の裏を読もうとした。オカベなんて知らない人のことで喧嘩はイヤだ。
僕は当り障りのないように応えた。
「オカベって誰?」
ETさんが「おかべ騎手引退なんだって。」
「おかべきしゅ?」
「そう競馬の。」
僕は驚いた。競馬の神の子と言われる僕が、岡部騎手が引退したニュースを知らなかったがそのことに驚いたのではない。ETさんの口から「岡部騎手引退」というニュースを聞いたからだ。
ETさんは競馬に興味はない。いや興味がなかったが正しい。
だから彼女の口から「岡部騎手引退だって。」ということを聞いてもなんのことかさっぱり分からなかった。
僕と付き合ってから「キングカメハメハだってさ〜。」と競馬の話しをしてくれる。
土曜日ETさんと遊んでいる時に「今日は競馬大丈夫なの?」
と気を使ってくれる。
「なんでそんなことを聞くの?僕は君と遊んでいるんだよ?」
そういう気を使わせてしまった自分が情けなくいらいらしてしまう。
僕は驚いていたが、それよりももっと驚いた声をだし、
「なんで知ってるの!岡部騎手引退ってほんと?リアリィ?」
余談だがETさんは英語が堪能なので僕も頑張って英語を使うようにしている。
ETさんが「夕刊で見たんだ。いひひ。」
僕の趣味がなんで美術館めぐりじゃなかったんだと後悔した。土曜日の昼下がり、
「今日は美術館にでも行きませんか?」「うんそうね。」
そして老夫婦のような二人は美術館に行く。
「これはルネッサンスの影響を受けたのかな?」
ありったけの知識の30%ぐらいの会話をする。
そんな知的な会話ができる彼氏さんの方が彼女にとって幸せかも知れない。以前はそういう人と付き合っていたみたいだ。
でも実際の僕は20代で世界一東京競馬場に通い馬券を買っている。稼ぎも悪い。でも口先だけは一丁前。自分で言うのも何だか正直情けない彼氏さんである。
日曜日の夜にETさんからメールが来る。とっても優しいメールだ。僕も優しくなる。
「また競馬ハズレたんでしょ!」
君に出会えたことが当りだよ。と言えばいいんでしょうか?競馬が本当に当らないのでそういうクサイ言葉でごまかそうと思う今日この頃です。